
(カオナシとは何者?宮崎駿監督が語ったその正体とは)
カオナシとは、「千と千尋の神隠し」に出てくるキャラクターですね。
しゃべれたり千尋を追ったりと、時に可愛く時に気持ち悪く、そして恐ろしく様々な振る舞いを見せます。
とても印象的なキャラクターなのですが、なぜこのような描写がされることになったのでしょうか?
今回は、カオナシの正体について、宮崎駿監督のコメントを参考に考察していきたいと思います。
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カオナシとは何者なのか?宮崎駿監督が語る「正体」
宮崎駿監督が語るところによると、
カオナシは「人間の大きくなり続ける欲望のかたまり」をキャラクターとして表したものとされています。
この欲望とは、特に物欲のことです。
初めカオナシは砂金を出し、それをもっと欲しがった青蛙を取り込みました。
その後ももっともっとと砂金を求める従業員を取り込み、カオナシはどんどん大きくなります。
大きくなり醜くなっていくカオナシは、欲望に膨らむ人間のようです。
物欲がなく欲しいものがなかった千尋は追いかけられたものの、最後まで無事だったのも納得ですね。
カオナシは人間そのもの
宮崎駿監督は、カオナシは誰の心にもいると話しています。
カオナシは人間そのもので、誰の心にもいる弱さなのかもしれません。
神様が来る湯屋で、カオナシは唯一異質な存在でした。
人間も珍しいようですが、千尋は受け入れられていました。
でもカオナシは神様の世界で、異物として排除されてしまいます。
そんなカオナシが誰の心にもいるというのは興味深いですね。
メッセージ性の強い千と千尋の神隠し、欲にまみれたカオナシの醜い姿は私たちを写す鏡なのかもしれません。
カオナシにまつわる裏設定・都市伝説
以下では、カオナシというキャラクターにまつわる裏設定や、
ファンの間で語られることの多い都市伝説で有名なものを紹介します。
カオナシが千尋のことを好きになった理由は?
カオナシが千尋を隙になった理由は、千尋が唯一カオナシを見てくれた存在だったからではないかと言われています。
金持ちの客という属性ではなく、千尋はカオナシ本人のことを見てくれていました。
さらに千尋はカオナシを気遣い、湯屋の外に連れ出してくれます。
これもカオナシのことを案じてやったとこです。
孤独なカオナシにとって、千尋の存在はどれ程嬉しかったでしょうか?
カオナシにとって、千尋は好意を寄せるに値する存在でした。
言葉を話せるようになったり、性格が変わったりするのはなぜ?
カオナシは言葉をしゃべれなかったのに、どんどん変化していきました。
それは個性を得たからだと思われます。
しゃべれるようになったのは青蛙を飲み込んだからですが、変化の理由はそれだけではありません。
カオナシは、最初は無個性な存在でした。
それが千尋と関わることでどんどん変化していきます。
振り向いてもらいたいと、番台から薬湯の札を盗みました。
声を出すために、青蛙を飲み込みました。
周りの関心を引くために、砂金を出して皆を喜ばせました。
お腹が空けば膨れてしまうまで、食べ続けます。
無個性のカオナシが欲により個性を得てここまで変化するのは怖いですね……。
カオナシのモデルは米林昌宏監督
カオナシのモデルは2010年の映画『借りぐらしのアリエッティ』を手がけた、米林昌宏監督と言われてます。
スタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーが自ら語っており、坊の声を演じた神木龍之介もそっくりだと話していました。
が、実はこの逸話は鈴木敏夫プロデューサーの後付けだったそうです。
ジブリの立体建造物展のセレモニーで、宮崎監督が『まろ(米林氏のニックネーム)にそっくりじゃないか』と話したことから広まったエピソードでした。