少年少女の心の葛藤や成長を描いた「聲の形」
2016年には長編アニメーション映画が放映されました。
映画では、主人公の石田将也が過去を乗り越え、まわりの人も自分自身も許して涙する…というラストでしたね。
原作コミックスでは「その後」についても描かれていますが、
ファンとして気になるのは「さらにその後」です。
この記事では原作のさらにその後について、掘り下げて予測していきたいと思います!
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同窓会で再会した、元いじめっこと元いじめられっこの会話とは?
水門小学校同窓会、扉を開けた石田と西宮を待っていたのは騒めきか静寂か…?
原作のラストは、成人式後の小学校同窓会へ出席しようと扉を開けるシーンで終わっています。
元いじめっこの石田と元いじめられっこの西宮が手を繋いで入って来たのを見た同級生たちの反応はどうだったのでしょう。
恐らく大半の人たちが、遠巻きに見ながらこそこそ話すのでは…というのは想像に難くないですね。
もちろん高校生の時から再び交流している、植野・佐原・川井もいるので、そのメンバーだけで話す、というパターンも考えられます。
しかし、石田と西宮が大きな決意を持って会場の扉を開いたことを考えると、きっと勇気を出して他の同級生と関わろうと行動したのではないかなと思います。
広瀬と石田の共通点…それは子煩悩なところ!?
石田がもっとも話したいと思っている人は、昔仲が良かった3人組の1人、広瀬でしょう。
広瀬は以前、マンションから川へ落ちた石田を助けており、石田はのちに植野を通してそのことを知ります。
石田はそのことのお礼を言うために広瀬に声を掛けたかもしれませんが、お互いにそう簡単には会話ができないでしょう。
そこで広瀬の妻と幼い子供がきっかけとなり、会話するという予想をしました。
会場に入る前に広瀬の子供が石田にぶつかり妻がそれを謝る、というファーストコンタクトを取っているので、この流れは自然ではないでしょうか。
また、石田は高校生になる前にすでに叔父となっています。
高校生の時からよく姪っ子の面倒を見ていたので、子供という共通の話題から少しずつ会話ができたのではないでしょうか。
子供は気まずさを救う!ですね。
最悪な元担任・竹内の性格が丸くなった可能性が浮上!
さて、もう1人の鍵となる人物は元担任の竹内です。
竹内と石田・西宮は高校生の時に再会しています。
竹内はその時も相変わらずの態度でしたが、なぜか石田と西宮が手話で会話している内容が分かった様子でした。
このことから、竹内と手話を教える教師の喜多が交際しているのではないか、という話がまことしやかに囁かれています。
さらには、西宮の祖母のお通夜の時に登場した喜多のお腹が大きかったことから「竹内の子供を妊娠したのでは」という噂も。
もしもそれが本当だとして、子供を連れて出席する竹内と喜多が教え子の同窓会にいたとしたら、西宮は喜んで祝福したでしょう。
もしかして子供も幼いながらに、喜多に教えられた手話で挨拶できるかもしれません。
きっと竹内も、ぶっきらぼうながらに手話で会話するでしょう。
このような石田と西宮に、植野たちも加わり、1人…また1人、と同級生たちと交流していったのかもしれません。
気になるそれぞれのその後。続編はある?
人生どう転ぶか分からない、良い関係だって取り戻せる!
原作の中で、進路についてほぼ確定しているのは、石田・植野・佐原の3人です。
石田は母親の後を継いで実家の理容室で働くこと。
作中では「家に男俺ひとりだから、変な客来てないかとかけっこう気にしてた。家から離れるなんて考えたことなかったよ」と語っています。
最終話で西宮の母親が石田の母親に髪を切ってもらっているシーンがありますが、そのうち石田がカットするようになったら面白いと思います!
植野と佐原は2人でブランドを立ち上げて、デザイナーとしての道を歩むようです。
社長は恐らく植野だろうけれど、陰の権力者は佐原に違いありません。
小学校時代のことを考えると、この2人が一緒に仕事をするなんて驚きですね
他のメンバーはまだ未確定ですが、長束は懲りずに映画を作り続けて、そのうちB級映画監督として名を馳せてほしいです。
そしていつかあの胡散くさい審査員から「ブラボー!」と言ってもらいたい!
追う川井と追われる真柴、2人のその後は?
真柴は以前、歪んだ思いから教師を目指していましたが、それは違うと気づいて別の道を探すことに。
最終話でトラウマの原因となったクラスメイトに話しかける様子がありました。
これがきっかけとなり、まわりまわって今度は純粋な思いで教師を目指すというのもあり得るのではないでしょうか。
川井は、真柴と一緒にいたくて同じ大学に進学しましたが、作中で2人が付き合っている描写はありませんでした。
真柴は川井に興味がない様子ですが、永束の映画に出続けるなど意外と流されやすい一面もあります。
川井が押し続ければ結婚の可能性もあるかもしれません。
東京へ行き世界が広がった西宮の決断は?そして続編は…?
西宮は、聴覚障害者の先生がいるお店で働きながら、理容師の資格をとるべく東京に行きました。
資格を取った後、地元に帰って来るのか東京に留まるのか…。
予想としては、しばらく東京に残るのではないかと思います。
大きな覚悟を持って東京に行った西宮は、同じく上京組の植野・佐原ともかなり打ち解けている様子でした。
2人が立ち上げたブランドのモデルのヘアセットを頼まれたりしたら面白いかな、と思います。
それぞれのその後について独断で予想してみましたが、実際にどうなったのかは続編が出ないかぎり知ることはできません。
この作品は子供たちが成長していくにつれ、様々な「聲の形」があることを知っていく物語だと思います。
大人になったあとの続編は恐らくないでしょうね。
いつか読み切りや他の作品のコラボなどで、登場したら嬉しいですが。
友情か愛情か…石田と西宮は結婚するのかを予想
最終話の段階ではまだ恋人未満?気になる2人の関係は…?
最終話で石田と西宮はお互いに手話で褒め合いイチャついていますが、そもそもこの2人は付き合っているのでしょうか。
石田が意識を取り戻して橋の上で再会した時の「生きるのを手伝ってほしい」という石田の言葉を告白だと捉えることもできます。
しかし、個人的にこれは男と女としてではなく、人と人としての会話だったと思います。
その後も互いを意識している様子はあるものの、恋人になったという決定的な言葉や描写はされていません。
とはいえ、好き合っているのは周知の事実で、家族や友人は微笑ましく見守っています。
なので、最終話では両片思い、という状況だったのではないでしょうか。
ではこの2人はそこから交際、結婚に至るのか。
わたしはそうなると思います!
最後のシーンは結婚を予表するもの…、かもしれない!
そう思う理由は、最終話で「石田が西宮の手を引いて扉を開ける」の場面です。
作中で手を繋ぐ場面は何度か出ていますが「手を繋ぐこと」と「生きること」が繋がっているように思えます。
例えば、高校生になった石田が「友達になれるか?」と西宮に言った時に、西宮が石田の手を握り返した場面があります。
この時石田は西宮に会いに行った後に死のうと考えていました。しかし、このことがきっかけで石田は思いとどまります。
また、西宮がマンションから飛び下りた時に、石田が腕を掴んだ場面。
言わずもがなこれは西宮の命を助けることとなりました。
このように互いの命を繋いできた2人が最終話で手を取り合っている描写は「2人で生きる」ことを意味しているように思えてなりません。
まるで結婚式の扉を開いているようにも見えますね!
2人の結婚式では、植野と佐原がドレスを作り、永束と真柴と川井がムービー担当、親族なのに結絃が写真を撮って、石田の母がヘアメイク…。そんな様子がありありと思い浮かびます。
2人の始まりの場所が2人の生きる場所に
先ほど「西宮はしばらく東京に留まるのでは」と書きましたが、西宮が理容師を目指すきっかけとなったのが石田の母から髪を切ってもらったこと。
西宮は技術だけではなく、石田の母の「この子の好きな髪形にしてあげたい」という気遣いにも憧れたのだと思います。
そして顔は合わせていませんが、この時石田と西宮は一応会っているので不思議な縁ですよね。
西宮は東京で色々な人の髪を切って、手話や筆談でお客さんと会話して…、
そんな経験をしてから地元に帰り、憧れのお店で石田と一緒に働くようになるのでは。
石田の名前は「将也」、西宮の名前が「硝子」なので、もしお店をリニューアルしたら「ヘアーサロン・ショーちゃん」とかでも良いですね!
2人の始まりの場所が2人の生きる場所になり、たくさんの笑顔をつくる場所になっていく…、そうなったら良いと心から思います。