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聲の形

【聲の形】石田のお母さんの耳から血が出た理由は?(ネタバレあり)

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(【聲の形】石田のお母さんの耳から血が出た理由は?)

 

「聲の形」というタイトル通り、

この物語のキーワードの1つとなっているのが登場人物たちの「耳」です。

特に印象的なのが、その「耳からの出血」が描かれるシーン。

石田のお母さんの耳から血が出たシーンについては、その意味が作品内で詳細には語られておらず、

ファンの間でもこのシーンの意味についてさまざまな説があります。

今回は、石田母の耳から血が出たシーンの制作意図について考察していきたいと思います。

(作品のネタバレを含みますので、まだ本作をみていない人は注意してください)

[quads id=6]

硝子の補聴器事件:将也が補聴器を取った時の衝撃

クラスメイトの筆頭に立ち、硝子をいじめていた将也。

何度も補聴器を取っては投げ、壊したり失くしたりしていました。

そんなある日、いつものように硝子の耳から補聴器を取ると、硝子の痛そうな声と共に耳から血が流れ、将也やクラスメイトのどよめきが起こります。

なぜ血が出たのでしょうか?

補聴器には『モールド』というパーツがあり、それは耳から補聴器が取れにくいようにぴったりとはめる役割があるようです。

なので変な方向から抜いたり、無理矢理引っ張ったりすると耳の中が傷つくようです。

これまでも硝子から補聴器を取っていた将也でしたが、このときは後ろから強引に取ったのでその衝撃で耳が傷ついてしまったわけですね。

耳の中はデリケートです。

少し耳かきを失敗しただけで痛いものですが、それを考えると硝子の痛みは相当のものだったでしょう。

謝りに行った石田母と将也、そのときの西宮母の対応

事の次第を聞いた石田母はすぐに将也を連れて、西宮母と硝子に謝りに行きます。

途中で銀行に寄って、補聴器の弁償代を下ろします。

その額170万円。

今まで何も考えずに硝子の補聴器を壊してきた将也には衝撃的だったでしょう。

待ち合わせ場所に向かうとそこには硝子の姿はなく西宮母だけ。

石田母は頭を下げ、将也にも謝るように促すが、それを静止したのは西宮母。

母親2人で話せるところに移動します。

なぜ西宮母は、硝子を同行させたり将也と話したりせずに、石田母とだけ話をしたのでしょうか?

1度ならずと何度も硝子の補聴器を壊した将也の謝罪は受けるに値しない、と思っていたのかもしれません。

戻って来た石田母の姿は…。

しばらくすると、話し終わった石田母が将也を迎えに戻って来ます。

将也が振り向き目にしたのは耳から血を流した母の姿。

なぜかピアスが引き千切られているのでした。

言葉の出ない将也に石田母は「明日からいい子にするんだよ?い?」と微笑みます。

このシーンは映画版だとカラーということもあり、より印象的に仕上がっていましたね。

ピアスを引き千切ったのは西宮母?それとも石田母?

その場にいたのは西宮母と当人の石田母だけなので、そのどちらかということになります。

作中で詳細について描かれていないので予想していきたいと思います!

西宮母説:復讐のためにやった?

一見感情の起伏が少ないように見える西宮母ですが、意外と激しい気性の持ち主だということは作中から読み取れます。

例えば、家出した硝子の妹・結絃を迎えに行ったとき隣にいた将也に平手打ちをかましました。

なぜ一緒にいるのか聞くこともせず、迷うことなく傘を放り出して将也に向かって行く驚きの場面でした。

さらに硝子に当たり散らす植野を見たときは、周りの静止を聞かずに何度も植野に平手打ちをしました。

このように感情に動かされるままに行動することがあるので、もしかして西宮母がピアスを…とも考えられます。

ただ、将也や植野に対しての行為は褒められるものではないにせよ、どちらも娘を守るための防衛でした。

実は人一倍家族思いな西宮母が、だれを守るわけでもないのに人を傷つけることをするでしょうか?

いや、しないはず!ということでもう1つの有力な説につづきます。

石田母説:自らやった?

西宮母と2人になり、何度も謝罪する石田母。

お金を弁償して済むことではない、というのは痛いほど理解していたはずです。

きっと硝子の傷の具合を聞いたり、硝子に直接会って謝りたい、と言ったりしたに違いありません。

でも硝子に会うことは許してもらえなかったのでしょう。

そのことは、それから数年後、硝子を助けてマンションから落ちた将也が入院しているときに「あなた…硝子さん?」と聞いて、顔を知っていなかったことから分かります。

体の痛みや心の痛みはお金や謝罪で解決できません。

西宮母は『硝子の痛みは分からないだろうし、許す気もない』と思っていたのかもしれません。

石田母はその思いを読み取り、自分の差し出せるものは『傷と痛み』しか残っていないと思い、自らピアスを引き千切り、傷を付けたのではないでしょうか。

石田母の最大の謝罪の表し方だったのかもしれませんね。

いずれにせよ、このことが将也に与えた影響は大きかったに違いありません。

石田母と西宮母、その後の2人の関係は?

このあと硝子が転校したこともあり、交流することもなく数年の歳月が経ちます。

将也と硝子が高校生になってから再び交わることになりますが、母親同士が会うのは硝子の自殺を止めた将也が入院しているとき。

硝子が原因で将也が意識不明の重体になってしまい、今度は西宮母が土下座をして石田母に謝罪します。

過去のこともあり、「きっと将也が原因だ」と言う石田母。

しかしそれに甘んじることなく、謝りつづける西宮母は筋の通っている人だということが分かります。

それに加えて、西宮母は硝子や結絃を介して将也との交流があったので、将也が小学生のときのことを悔いていることをしっかりと理解していたのでしょう。

言葉にはしていなくても、将也への『許さない』という気持ちは、和らいでいたのかもしれません。

謝り、謝られ、ニュートラルな関係に

子供のことで負い目を感じている2人の関係が変わったのが、将也の快気祝いのとき。

今度は石田母が西宮母と2人で話すために行動します。

買い物に行かされた将也たちが帰ってくると、酔っ払って楽しそうに話している2人が。

それまで敬語でよそよそしく話していたのに、すっかりくだけた話し方になっています。

将也も羨ましそうに見ていましたが、大人ならではの解決方法でお酒の力を借りるのも悪くないですね。

それからも付き合いはつづき、西宮母は石田母が営む理容室の常連に。

遠慮なく話している姿はママ友というよりも、もはや普通の友人という関係性に思えます。

子供を思う気持ちを理解し合い、お互いに尊敬し合えるようになったからこそ築けた、ニュートラルな関係なのではないでしょうか。

-聲の形

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