ハウルの動く城の食事シーンでマルクルが言ってた「うましかて」ってどんな意味?
マルクル、ソフィー、ハウルの三人で朝食をとるシーンで、
マルクルが「うましかて」という言葉を発するシーンが描かれていましたが、
これどんな意味?と気になった方も多いのではないでしょうか。
以下、この言葉の意味や由来について簡単にわかりやすく解説しますので、参考にしてみてください。
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ハウルの動く城「うましかて」の意味
「うましかて」とは、「美味し糧(かて)」という意味です。
日頃私たちが言っている「いただきます」と同じような意味と考えると良いでしょう。
つまり、「食事を食べられることに対して感謝する」という意味を持つ言葉です。
ハウルの動く城の朝食時のシーンでハウルが「では、諸君、いただこう!美味し糧を」と言います。
そこに続いて、ソフィー、マルクルが「うましかて」と唱えてから3人で食事をはじめています。
映画ハウルの動く城のモデルとなった地域は、フランスのアルザス地方と言われていますので、その影響も大きいでしょう。
中世16世紀フランスと公式に発表されているので、異国の雰囲気を出すために「いただきます」の代わりに使われたのだと考えられます。
「うましかて=馬鹿て」?
これはファンの解釈として言われている説ですが、
「うましかて=馬鹿て」
はまちがいです。
馬鹿(バカ)という言葉の由来は、「馬のことを鹿と言いくるめようとする愚か者」という故事で、
「うましか」という言葉のひびきでは共通していますが、
ハウルのこのシーンにはまったく意味が合いません。
うましかて=今日も食料を得られたことに感謝する
「うましかて」を漢字で書くと「美味し糧」となります。
美味しはもちろん「美味しい」という意味ですが、「糧」とは食料、食材(食料品)のことです。
ハウルの動く城では、朝食時に食べようとしているベーコン、卵、パンを前にして「今日も美味しい食べ物を与えてくださりありがとうございます」を略して「うましかて」と言っているのです。
うましかての意味は「自然への感謝」
お腹をすかせたマルクルが嬉しそうに食べているシーンは観ている側まで自然と食欲がわいてきてしまうような描写ですね。
ジブリ作品全体に言えることだと思いますが、ハウルの動く城も背景がとても美しくて雄大な自然の中での生活シーンが丁寧に描かれていて観ている人を魅了しています。
老婆に変えられてしまったソフィーを受け入れるハウルとマルクル、ただ焼いただけの目玉焼き、ベーコン、パンを3人で「うましかて」と唱えて、当たり前のように食べ始める自然な流れが心地よく感じられます。
3人で囲む朝食の時のシーンは物語のその後も示唆しているように受け取れます。
ハウルの動く城の朝食時での平和で穏やかな食事風景は家族で「いただきます」「うましかて」と言い食べ始める微笑ましくなる場面です。
「うましかて」の言葉の由来はキリスト教?
映画ハウルの動く城で使っている「うましかて」はキリスト教で食前に捧げるお祈りに近いものがあります。
食前に、キリスト教では食べ物は神様が与えてくださった物として、美味しい食べ物をありがとうございますと感謝してお祈りをします。
ハウルの動く城は、フランスが舞台になっています。
食前に唱える言葉として日本の「いただきます」では違和感を与えてしまいますよね。
宗教的な意味合いも前面に出したくないので、幼いマルクルやソフィーに「いただきます」の代わりに「うましかて」と言わせるようにしたのでしょう。