誰もが知っている国民的アニメ映画「となりのトトロ」ですが、
実は、実在の事件である「狭山事件」がモデルになっている、という都市伝説があります。
今回は狭山事件ととなりのトトロの関係について考察していきます。
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狭山事件とは?
狭山事件とは、1963年5月1日に埼玉県狭山市で発生した悲惨な事件です。
女子高生が行方不明となり犯人から脅迫状が届けられましたが、
その後女子高生は遺体として発見されてしまいます。
犯人として有罪判決を受けた人物がいわゆる「被差別部落」の出身者であり、
被告の弁護団が「差別裁判」として反論したことから教科書などでもよく取り上げられる事件です。
「となりのトトロは狭山事件がモデル」といわれる4つの理由
一見何の関係もないように見えるこの事件ですが、
随所を細かく見ていくと「となりのトトロ」との関係性が見えてきます。
↓具体的には、以下の4つの点が指摘できるでしょう。
- アニメ舞台の埼玉県所沢市の「となり」が狭山事件の発生地
- サツキとメイの名前の由来
- 被害者姉の「猫の化け物を見た」という発言
- あえて「迷子の妹を探す姉」のストーリーに変えた経緯
ひょっとすると製作者側に狭山事件に強い思い入れを持っている人物がいて、
その人が物語設定の随所に「狭山事件」へのオマージュ的な要素を入れたのではないか?
という都市伝説がささやかれているというわけです。
(理由①)アニメ舞台の埼玉県所沢市の「となり」が狭山事件の発生地
「となりのトトロ」の舞台は埼玉県所沢市です。
そして所沢市の「隣(となり)」が「狭山市」なのです。
作中に出てくる固有名詞は埼玉県所沢市から東京都東村山市にかけて広がる「狭山丘陵」を元にしています。
サツキとメイが引っ越してきた「マツゴウ」という集落は所沢市松郷の事です。
またサツキとメイの母親が入院している病院「七国山病院」は、「新山手病院」をモデルにしています。
(「新山手病院」は狭山丘陵にある「八国山緑地」の敷地内に位置しています。
「八国」をもじって七国山病院という名前が付けられたことが容易に想像できます)
(理由②)サツキとメイの名前の由来
「サツキ」と「メイ」という名前は文字通り「皐月」「May」を意味しています。
両方とも、「五月」を表しているわけですね。
そして、狭山事件も5月1日に起きています。
日本語と英語で分けたことは理解できますが、
なぜわざわざ「五月」にこだわったのでしょうか?
(理由③)被害者姉の「猫の化け物を見た」という発言
狭山事件は女子高生が亡くなった悲惨な事件ですが、実はその女子高生には姉がいました。
その姉は妹の死を知ったことで気がおかしくなってしまい事情聴取に対して意味不明な発言をしていたそうです。
それは「猫の化け物を見た」という発言。
その後姉は事件から約一年後に自殺をしています。
となりのトトロにおいて猫の化け物と言えば「猫バス」ですね。
となりのトトロの劇場公開時のポスターには、
トトロは映っていますが猫バスは映ってはいません。
つまり、制作の後期段階になって「あえて猫バスというものを入れた」わけです。
なぜ、あえて猫バスだったのでしょうか?
(理由④)あえて「迷子の妹を探す姉」のストーリーに変えた経緯
となりのトトロは「姉が妹を探してさまよう」というのがストーリーの基本になっていますが、
これは狭山事件の被害者である姉妹(亡くなったのは妹で、姉も悲劇的な自殺を遂げる)へのオマージュを思わせます。
というのも、となりのトトロの主人公はもともと1人の予定でした。
実際、「となりのトトロ」の劇場公開時のポスターには、
主人公であるサツキとメイではない別の女の子が描かれていたのです。
もっとも、この点について、
制作側は「同時上映作品であった「火垂るの墓」が88分に延びたため、
当初60分の予定だった「となりのトトロ」も合わせて80分作品とするために、
元々一人だった主人公を二人に分け、サツキとメイという形で20分延ばした」と説明しています。
ただ、この説明を聞いても、
なぜあえて「5月」という意味にこだわった姉妹を主人公とし、
「迷子の妹を探す姉」のストーリーに変えたのか?という疑問は残ります。