スタジオジブリの映画「紅の豚」は、
多くの「大人向けの名言」が生まれたことで知られていますね。
反戦や反ファシズムなど政治的な話題をテーマにするなど、
ジブリ映画の中ではかなり特徴のある作品と言えます。
今回は「紅の豚」作品内での名言やかっこいい格言を紹介します!
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「いい奴はみんな死ぬ、友へ」
ホテルアドリアーノでジーナから友人の訃報を知らされたポルコが呟くセリフです。
このシーンは1時間半ほどある映画の中で戦争について触れられる最初のシーンでもあり、
ここのセリフは「反戦」をテーマの1つとしている「紅の豚」の中で最も重要なセリフの1つです。
ポルコは多くの友人を戦争で亡くし、自身も戦争に参加しており、戦争がどれだけ悲惨なものなのかをよく知っています。
そのため、空中戦や戦闘挺のシーンが多い映画でありながら主人公のポルコは一貫して「反戦」「反ファシズム」の姿勢を貫きます。
また意外と知られていないのですが、
映画の中で繰り広げられる空中戦の中で、戦争の回想シーン以外では誰1人として亡くなっていません。
空賊連合が「地中海の女王号」を襲う際、用心棒の1人がカーチスに撃墜されますが、
この時もポルコのアジトで流れるラジオのニュースからこの用心棒が無事であったことが分かります。
宮崎駿監督が「反戦」「反ファシズム」であることはよく知られていますがこういう形で「戦争」と「賞金稼ぎ」にコントラストを付けているのです。
「そういうことは人間同士でやりな」
稼いだお金を銀行で受け取る際に、銀行員に「国や民族のために貢献されたらどうか。」と尋ねられた時のポルコのセリフです。
ポルコは口元に笑みを浮かべながらこのセリフを返します。
人間嫌いを公言しているポルコがなぜ人間嫌いになったのかが垣間見える名言の1つです。
「俺は俺の稼ぎでしか飛ばねぇよ」
秘密警察に追われるポルコの身を案じた元戦友のフェラーリン少佐が空軍に戻るように説得するシーンでのポルコのセリフです。
ポルコは説得に応じることなく、軍国主義化が進む国家のために空軍に戻るくらいなら豚の方がマシだと頑なに拒否します。
飛行艇乗りであり続けるけれど、あくまでも俺は自由に空を飛ぶんだ。というポルコの姿勢がはっきりと表れた名言です。
「あんたらも時期に非合法になるな」
機関銃を買いに来たポルコに武器屋の店主が言うセリフです。
軍国主義化が進むイタリアで人々の自由が無くなっていく様子を表した言葉なのですが、
このたった一言で「紅の豚」がどういう時代を背景としているのかがよく分かります。
「豚に国も法律もねぇよ」
機関銃を買いに来た際、武器屋の店主に「政府が変わって賞金稼ぎの仕事も非合法になるな。」と言われた時のポルコのセリフです。
これに対して、武器屋の店主は自分自身をモグラと呼び「ちげぇね、モグラもおんなじさ。」と笑います。
「ブタ」である賞金稼ぎのポルコと「モグラ」である武器商人の店主が切っても切れない関係であることがよく分かるシーンです。
「坊主、俺たちゃ戦争やってるんじゃねぇんだ。またな」
「反戦」「反ファシズム」を貫くポルコが武器屋で働く少年に諭すように呟くセリフです。
ポルコの一言に首を傾げた少年は店主に「戦争」と「賞金稼ぎ」の違いを尋ねます。
すると店主は作業をしながら「戦争で稼ぐ奴は悪党で賞金稼ぎで稼げねぇ奴は能無しだ。」と返答します。
「戦争で稼ぐ奴は悪党」というセリフからポルコと同じように武器屋の店主も「反戦」「反ファシズム」の人物であることが伺えます。
「俺にはお前はずっとそうして1人で飛んでいろって言われた気がしたがね」
カーチスとの決闘前夜「何かお話しして」とフィオに言われたポルコは戦争に参加していた時のことを語り始めます。
仲間たちと出撃したある日、激しい空中戦の末に疲れ果てて気を失ってしまったポルコでしたが、気付いた時には海面すれすれを1人だけで飛んでいたのです。
ポルコはその時に「お前はずっとそうして1人で飛んでいろ。」と言われた気がしたと語ります。
ちなみにこの時に一緒に出撃した仲間たちは皆、戦死しています。
ホテルアドリアーノでの「いい奴はみんな死ぬ。」とどこか通じる奥の深い名言です。
「あの野郎、フィオを見て豚に真珠だと言いやがった」
ドタバタ劇の後、無事ピッコロ社を飛び立ったポルコとフィオでしたが、待ち構えていたのはイタリア空軍の包囲網でした。
諜報活動により、そのことを事前に知っていたポルコの元戦友フェラーリン少佐は2人がイタリアの制空権を抜け出すための手助けをします。
そしてポルコとフィオが無事にイタリアの制空権を脱した後に、フィオのことをみたフェラーリン少佐が笑みを浮かべながらハンドサインで一言、ポルコに伝えます。
それが「豚に真珠」だったのです。
フェラーリン少佐はポルコと敵対関係にあるイタリア空軍の少佐でありながら「紅の豚」の映画を通して一貫してポルコの味方であり続けます。
映画館ではポルコのためを思い「バカが!」と一喝し、イタリア空軍の少佐でありながらイタリアを脱出できるようにこっそりと手助けをし、
カーチスとの決闘の際にはイタリア空軍が「お祭り騒ぎ」に気づいたことを一早くジーナに伝えました。
多くの戦友を亡くしたポルコですが、
実は「紅の豚」に唯一、登場する存命する元戦友がフェラーリン少佐なのです。
すぐにカッとなるポルコですが「フィオをみて豚に真珠だと言いやがった。」と言った後のポルコの表情が2人の関係の深さを物語っています。
ちなみに、「紅の豚」でフェラーリン少佐が登場するシーンで流れる曲の曲名は「フレンド」です。
「飛んだところで所詮、豚は豚だぜ」
空軍に戻ることを頑なに拒否するポルコに元戦友のフェラーリン少佐が呟くセリフです。
このセリフには伏線があります。
それが「紅の豚」で一番有名なセリフ「飛ばねぇ豚は、ただの豚だ。」です。
映画の途中からフェラーリン少佐が諜報活動をしていることが分かりますが
実は「飛ばねぇ豚は、ただの豚だ。」のセリフが出たジーナとポルコの電話を盗聴していたのです。
フェラーリン少佐は「飛んだところで所詮、豚は豚だぜ。」と言うことでポルコに全ての情報が秘密警察に筒抜けになっていることを暗に伝えたのです。
この後、フィオの車に乗り込んだポルコは追っ手が迫っており、テスト飛行をする時間がないことをフィオに伝えます。
「豚ともうまくやってるよなぁ」
ホテルアドリーアのバーでポルコに喧嘩を吹っかけようとした空賊連合のボスたちにジーナが制すように語りかけます。
「偉い人たちばかり集まって、また悪巧みをしてるの?」
これに対してボスの1人が「当たり〜」と頰を赤らめながら答えます。
その言葉を聞いたジーナはボスたちに「みんな良い子ね。でも戦争ごっこはダメよ。」と優しく念を押します。
このジーナの言葉にボスの1人が周りの同意を得ながら返した言葉が
「豚ともうまくやってるよなぁ?」です。
毎日のように空中戦を繰り広げているポルコと空賊たちですが実は「うまくやっている」のです。
ジーナというマドンナ的な存在も相まって、どんなに激しい戦いをしながらも戦った後には同じバーに集まり、同じ空間でお酒を飲んでいるのです。
ポルコも空賊も持ちつ持たれつの関係であることがよく分かるシーンです。
「みんな良い子ね」
ホテルアドリアーノのバーに集まった空賊連合のボスたちにジーナが優しく呟くセリフです。
ジーナは3人の旦那を戦争で亡くしている未亡人です。
しかも3人とも飛行艇乗りでした。
映画を通してジーナが空賊を含めて、飛行艇乗りに対する態度が優しいのはこのためです。
ジーナにとって賞金稼ぎも空賊も皆同じ飛行艇乗りであり、とても愛おしい存在なのです。
「豚は殺しはやらねぇんだ」
カーチスとポルコの決闘を観戦している時にマンマユート団のボスがフィオにいう一言です。
賞金稼ぎの仕事をする上でポルコは「人殺しはしない。」と決めているのです。
その理由は、ただ1つです。
それは「戦争ではないから。」です。
まとめ
以上、男が惚れる男たちの映画「紅の豚」が産んだ痺れる名言を徹底解説と言うことで「紅の豚」のテーマの1つ「反戦」「反ファシズム」が感じられる名言10選を解説してきました。
私自身、少なくとも100回は観た「紅の豚」ですが未だに発見があり、毎回楽しめます。
また年を重ねていけばいくほど映画の見え方も変わってくるので是非みなさんもこの記事を読んだ後、
「紅の豚」をもう1度、鑑賞してみてはいかがでしょうか。