「月刊少年ガンガンで原作連載→アニメ化」になった鋼の錬金術師ですが、
最終回は原作とアニメで大きな違いがあるなど、
複雑な制作の裏事情を感じさせる部分が多々ある作品でした。
今回は、鋼の錬金術師の最終回内容について考察してみました。
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アニメ2期は事実上の作り直し!背景となった制作裏事情知ってる?
通常、一度制作したアニメ作品をリニューアルして再度制作することはあまり例がありません。
普通に考えると、アニメの物語をもう一度制作したところで、
大人の話になりますが「お金にならない」という事情があるからです。
にもかかわらず鋼の錬金術師は「作り直し」がされています。
「いったい何があったんだ?」と気になってしまった方もきっと多いでしょう。
アニメ1期の最終回が「不評」だったことが主な要因
なぜ鋼の錬金術師アニメは作り直しになったのか?
もっとも大きな要因としては、アニメ1期放送当初は原作が連載中で未完だったことがあげられるでしょう。
アニメ1期の前半は「原作通り」の内容で推移していましたが、
途中からはアニメのオリジナルストーリーとならざるをえませんでした。
(アニメ最終回のタイトルは「ミュンヘン1921」という原作ファンには馴染みのないものとなっています)
アニメ1期最終回のED(エンディング)内容
アニメ1期の最終回におけるエンディング内容についてですが、
ごく簡単に紹介すると「今生の別れ」となっています。
どちらかといえば、ハッピーエンドではなく、バッドエンドに近いですね。
これがアニメ2期ではEDが変更され、
兄のエドワードはウィンリィと結ばれ、幸せになりました。
一方で弟のアルフォンスは東へ向かい、旅に出ることとなったわけです。
少なくとも、バッドエンドは回避された感じですね。
アニメと原作の内容が大幅に食いちがった裏事情
アニメ1期が原作と異なるオリジナル内容になった裏事情として、
原作者の荒川弘氏がアニメ版オリジナルの展開を容認したことがあります。
その後、月刊少年ガンガンにて原作連載が終了したのち、
鋼の錬金術師ファンから「原作のストーリーにのっとった再アニメ化」の要望が多数あったそうです。
(最終回の感想は人それぞれですが、アニメ版は不評という声が大きかったとか…)
再アニメ化されるにあたり、制作会社はと同じ(ボンズ BONES)ながらも、
監督や制作スタッフ・キャストがほぼ一新されることになりました。
今度は原作に近いストーリーで再び最初からアニメ制作される運びとなったわけです。
これは「事実上の作り直し」といえるかもしれません。
【ネタバレ】ガンガン原作・アニメ1期・アニメ2期の違い
改めて原作とアニメ1期の最終回を比較すると、内容がまるっきり違います。
アニメ1期は原作が連載中だったために、途中から独自の世界観で物語が展開せざるをえなかったからです。
以下では、
- ガンガン原作
- アニメ1期
- アニメ2期
これら3つで「最終回の描かれ方」にどんな違いがあるのか解説します。
ネタバレとなりますが参考にしてみてください。
エドワードの行動と支払った「代償」
結論から言えば、ガンガン原作とアニメ2期、そしてアニメ1期とでは大きな違いがあるのです。
いずれも真理の扉の前で、まず原作とアニメ2期ではエドワードはアルフォンスを助けるために自身の錬金術の力(経験や高速錬成など)を代償にしてアルフォンスを助けました。
一方でアニメ1期ではエドワード自身の肉体はもちろんのこと。さらにアルフォンスと共に旅をしてきた4年間分のアルフォンス自身の記憶を代償にアルフォンスを助けたのです。
それでもエドワードは真理の扉の向こう側、結果的に錬金術が発達していない世界に行ってしまったことで錬金術そのものが使用できない状態となってしまいました。
比べてみると、アニメ1期の方が支払う代償が大きかったように感じますね。
プチイメチェン!?ロイ・マスタングに髭が……
ブラッドレイとの最終決戦からおよそ2年後、ロイはさらに偉くなり軍人としてふるまっているシーンがありました。
その時に、鼻の下にこれまではなかった髭があったのです。
実はこの髭の裏事情ですが、なんとロイの口元に汚れがついた原作の下書きがアニメスタッフの元に届けられたことが事の始まりでした。
その汚れをあろうことか「ヒゲ」だと勘違いしてしまい手直しすらないまま上司のチェックを通過し、結果的にアニメで髭を生やしたロイ・マスタングが誕生したわけです。
これはガンガン原作にもアニメ1期にもない、アニメ2期だけにある知る人ぞ知る象徴的場場面と言えます。