議院内閣制の仕組みとは?大統領制との違い・メリットデメリットを簡単にわかりやすく解説!

議院内閣制

(「議院内閣制」の意味とは?簡単にわかりやすく解説します!)

議院内閣制とは、ごく簡単にいえば「国民から選挙で選ばれた国会議員の中から、内閣総理大臣を選ぶシステム」のことをいいます。

議院内閣制とは?


国民から選挙で選ばれた国会議員の中から、内閣総理大臣を選ぶシステム」のこと

日本の政治では、明治時代以降はこの議院内閣制をずっと採用してきています。

憲法改正が話題となっている今日この頃ですが、議院内閣制のシステムは日本の政治を支える非常に重要な仕組みですから、ぜひしっかりと理解しておきましょう。

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議院内閣制の仕組み

冒頭でも見たように、議院内閣制とは「国会議員の中から内閣総理大臣を選ぶシステム」のことをいいます。

内閣とは、簡単にいえば行政のトップメンバーのことです。

行政の仕事は、市役所が住民票を発行したり病院がちゃんと運営できるようにしたりといったことから、他の国から軍隊が攻めてきたときに戦う「軍事」、他の国と戦争にならないように交渉を行う「外交」といった重要なことまでが含まれます。

このように重要な仕事を行う内閣は、「総理大臣」と「国務大臣」で構成されます。

総理大臣は国務大臣を任命したり、クビにしたりする権限を持っていますから、実質的には「国のリーダー」といえます。

この点について、日本国憲法では以下のように規定されています。

内閣総理大臣は、国務大臣を任命する。但し、その過半数は、国会議員の中から選ばれなければならない。内閣総理大臣は、任意に国務大臣を罷免することができる。

日本国憲法第68条第1項

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内閣不信任案とは

上で見たように、内閣は国会(国民)から信任を受けて国政を運営します。

「国会の信任を受けて国政を運営する」ということは、「国会の信任を受けられなくなった場合には、内閣は国政を運営できなくなる」ということでもあります。

具体的には、国会が内閣の仕事ぶりを見て「信頼できない」と判断した場合には、国会は内閣不信任案という決議を行なうことができます。

内閣不信任案とは、簡単にいえば国会が内閣に対して「あなた方はもう仕事を辞めなさい」と命令することです。

国会は国民から選挙でえらばれた国会議員で構成されるものですから、国会で内閣不信任案を決議したということは、その内閣は国民からの信任を得ていないことを意味します。

そのため、内閣不信任案の決議を受けた内閣は、10日以内に解散しなくてはいけないルールとなっています。

日本国憲法では、以下のようにルールが定められています。

内閣は、衆議院で不信任の決議案を可決し、又は信任の決議案を否決したときは、十日以内に衆議院が解散されない限り、総辞職をしなければならない。

日本国憲法第69条

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内閣が不信任決議を受けたら、衆議院が解散される可能性大

ここまでの内容を見ると、いかにも「国会の方が内閣よりも強い」というイメージを持たれたかも知れません。

しかし、議院内閣制では内閣と国会とはほとんど対等の力を持っています。

というのも、内閣不信任案の決議を受けた内閣(内閣総理大臣)は、衆議院を解散する権限を持っているからです。

衆議院というのは国会の2つのグループ(衆議院と参議院)のうち、大きい方のグループです。

衆議院が解散されると、そこに所属していた国会議員は全員無職になって選挙をもう一度勝ち残らないといけません。

国会からすると、「内閣不信任案を出せば内閣総理大臣を辞めさせることができるけれど、自分たちも失業することになる」ということですね。

このように、議院内閣制では、国会と内閣とが牽制(けんせい)しあいながら政治を運営していくシステムになっているのです。

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議院内閣制と大統領制との違いは?

議院内閣制を採用している日本やイギリスのような国がある一方で、大統領制を採用している国もあります(アメリカやフランス、韓国など)

議院内閣制と大統領制の大きな違いは、国会と内閣の関係のあり方の違いです。

簡単にいえば、議院内閣制では「国会議員の中」から行政のリーダーを選びますが、大統領制では「国民が直接大統領を選ぶ」という仕組みになっているのです。

行政のトップと国民とがよりダイレクトにつながっているのが大統領制といえるでしょう。

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大統領制では国会と内閣がそれぞれ独立している

また、議院内閣制では、議会が不信任決議を出して内閣総理大臣を辞めさせることが可能です。

反対に、内閣総理大臣も議会の解散権を持っているので、議会に参加している議員を失職させることができます。

一方、大統領制は議会と内閣がそれぞれ独立した立場です。

議会は弾劾以外に大統領を辞めさせる権限はなく、逆に大統領側も議会を解散させることができません。

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議院内閣制のメリット

議院内閣制のメリットとしては、以下のようなものがあげられます。

議院内閣制のメリット


  • ①政権運営が安定する
  • ②議会が内閣総理大臣を解任できる
  • ③与党と野党が分かれる
  • ④過激な人は内閣総理大臣に選ばれにくい

それぞれの項目について、順番に見ていきましょう。

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①政権運営が安定する

議員が首相を選ぶ議院内閣制は、議会で多数派が推す人が首相になり、多数派の政党が与党となるため、安定した政権運営ができます。

②議会が内閣総理大臣を解任できる

大統領制には無い議院内閣制最大のメリットが、この「議会が内閣総理大臣を解任できる」ことです。

度の過ぎた政策を実行しようとした場合、不信任決議を採択することにより、解任させることが出来ます。

例えば、首相が強引な手法によって法案を可決しようとした場合、反対する議員が与野党問わず人数を集めて多数派になった場合、内閣を不信任にして法案可決の阻止をする事が出来るというわけです。

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③与党と野党が分かれる

内閣を組織する際に選出される国務大臣が、ほぼ与党の議員となります。

そのため、議会では内閣に賛成する与党と反対する野党というように、役割がはっきりと分かれるため、チェック機能が働きます。

④過激な人は内閣総理大臣に選ばれにくい

内閣総理大臣は、国民による直接選挙ではなく、議員によって選ばれます。

したがって、国民の人気を集めた議員が内閣総理大臣に選ばれるのではなく、議員の支持を多く取り付けた人が総理大臣となります。

議員が国民よりも冷静な判断されるという前提で運営されていますので、近年は利権や既得へのしがらみにより、過激な発言や思想を持つ人でも内閣総理大臣に選ばれているのも事実です。

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議院内閣制のデメリット

一方で、議院内閣制のデメリットとしては、以下のようなものがあげられます。

議院内閣制のデメリット


  • ①国民が直接内閣総理大臣を選べない
  • ②行政と立法との権力の分立が不十分となる
  • ③首相が大胆な政策を実行しにくくなる
  • ④「ねじれ現象」が生じた場合、議会運営の停滞が政治の停滞につながる
  • ⑤独特の視点を持った人・フレッシュな人が首相になりづらい

こちらもそれぞれの項目について、順番に見ていきましょう。

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①国民が直接内閣総理大臣を選べない

議院内閣制では、国会議員が自分が所属する政党の党首・代表を内閣総理大臣に選びます。

そのため、国会議員を選ぶ選挙の直後は、「国民が自分たちで首相を選んでいる状態」と言えます。

一方で、内閣総理大臣が辞職した時に同じ与党内から再び総理大臣が選出された場合、国民が望んだ総理大臣を選んでいるとは言いにくくなります。

つまり、行政のトップである内閣総理大臣に対して、国民自身のコントロールが効きにくくなるケースがあるというわけです。

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②行政と立法との権力の分立が不十分となる

国会で多数派を維持している場合が殆どですが、こうした状況は安定したに政権運営しやすい反面、行政(内閣)と立法(国会)の区別が不明瞭であるため、独裁的な政権運営を行うことが可能となってしまいます。

③首相が大胆な政策を実行しにくくなる

内閣総理大臣となる与党の党首・代表は、党に所属する議員を中心に選ばれますので、国民の意向ではなく、党利や議員の都合で選ばれています。

与党の意見に束縛される可能性が高く、大胆な政策を取りにくくなります。

既得権益を大きく損なうような改革を行おうとした場合、その既得権層から支持されている議員が反対するため、実現することが出来ません。

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④「ねじれ現象」が生じた場合、議会運営の停滞が政治の停滞につながる

日本のような二院制(衆議院と参議院)の国の場合、「衆議院では多数派になっている政党が、参議院では少数派になる」という状態が生じる可能性があります。

こうした状態を「ねじれ現象」といいますが、議院内閣制では国会の状況によって内閣の構成メンバーに影響を受けますから、政治の混乱を招く字可能性があります。

簡単にいえば、議院内閣制では「国会がねじれたら内閣もねじれてしまう」ということですね。

日本の場合、内閣総理大臣は衆議院は解散できても参議院は解散できません。

参議院の人気は6年間ですから、最低でもその期間中はねじれ現象の解消が難しい状態が続くことになるのです。

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⑤独特の感性を持った人・若い人が首相になりにくい

議院内閣制では国家議員の中から総理大臣が選ばれますから、どうしても「国会議員の中を上手に立ち回っている古いタイプの人」が総理大臣に選ばれがちです(絶対にそうなるというわけではありませんが)

現在の安倍晋三総理は比較的若いリーダーですが、他の国のように40代で内閣総理大臣になるような人は非常にまれです。

(安倍総理が初めて総理大臣になったのは52歳。大統領制をとっているフランスでマクロンが大統領になったのは39歳の時です)

ただし、若手がトップに立てない傾向は日本固有の事情であり、年功序列という日本の文化によることも指摘できます。

良くも悪くも、議院内閣制は日本人の意識にあったシステムということなのかもしれません。

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まとめ

今回は、議院内閣制の仕組みや、大統領制と比較した場合のメリットデメリットについて解説いたしました。

普段生活する上ではあまり馴染みのない話題ですが、国会や内閣を理解することで少しでも政治というものを身近に感じていただけると嬉しいです。

特に、私たちの生活が変わるきっかけとなる可能性もある選挙があるときには、政治ニュースにぜひ関心を持っていただければと思います。

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